Ubuntu 11.04のレポジトリのOpenboxにおいては(以前のバージョンと同じように)、デフォルトでDebianメニューを使用するようになっています。menuパッケージがインストールされていれば、Debianメニューを使えるようです。しかし、これが使い難い! 多くのOpenboxユーザはメニュー設定ファイルを編集して、自分が使いやすいように変更していることと思います。私もメニュー設定ファイルを編集して使用しています。そのため、menuパッケージはインストールしていません。
テキスト・エディタで一つ一つメニューを追加
Openboxのメニューは非常に高機能で、Pipeメニューという機能で、好きなスクリプトでメニューを構築することもできます。Fedora版のOpenboxでは、OpenboxのメニューにGnomeメニューの構造を自動的に構築するスクリプトを搭載しているようです。以前私もこのFedoraの仕様を真似していましたが、メニューの表示が少々遅くなってしまうことや、メニュー・ファイルを自分で編集して構築したほうが自由度が高いということから、この機能を使用しなくなりました。私の場合、使用するアプリケーションはほぼ決まっているので、メニューを自動的に生成するメリットもあまりありません。もっとも、OpenboxをGNOMEと共存させ、ログイン時に選択するような環境では便利な機能かもしれません。
GUIメニュー設定のアプリケーション
GUIでOpenboxのメニューを設定できるObmenuというアプリケーションもありますが、メニュー設定ファイルはシンプルなものなので、多くの人にとって必要ないと思います。
メニュー設定ファイル
Openboxのメニュー設定ファイルは/etc/xdg/openbox/menu.xmlです。それを~/.config/openbox/内にコピーして編集していくこととなります。この方法ですとパッケージのアップグレードの度に、これまで苦労して設定してきたものを消去してしまうという心配がありません。ターミナルで以下のコマンドを実行することで簡単に準備できます。
mkdir -p ~/.config/openbox
cp /etc/xdg/openbox/menu.xml ~/.config/openbox
menu.xmlファイルの編集
menu.xmlファイルをテキスト・エディタで開くと、下のようなタグがあります。
<menu id="root-menu" label="Openbox 3">
ここにメニュー項目を追加
</menu>
それらのタグの間にメニューを追加していきます。
アプリケーションを実行する項目を追加する
ファイルを見ると想像がつくかもしれません。例えば、Chromiumを実行する項目を追加したい場合は、以下のように記入します。
<item label="Chromium(_C)">
<action name="Execute">
<execute>chromium-browser</execute>
</action>
</item>
ショートカットを設定
labelはメニューに表示される文字です。(_C)という部分はショートカット・キーです。メニューを開いてCキーを押すと、Chromiumが起動する設定です。好きなキーを割り当ててください。(_C)などのショートカット・キーは任意ですので、下の例のように設定しなくても構いません。
<item label="Chromium">
<action name="Execute">
<execute>chromium-browser</execute>
</action>
</item>
カテゴリ分けして多層構造のメニューを構築する
アプリケーション数が多く、カテゴリ分けして多層構造のメニューを構築したい場合には以下のように記入します。
<menu id="internet" label="インターネット(_I)">
<item label="Chromium(_C)">
<action name="Execute">
<execute>chromium-browser</execute>
</action>
</item>
<item label="Firefox(_F)">
<action name="Execute">
<execute>firefox</execute>
</action>
</item>
</menu>
このように<item>
タグを<menu>
タグで囲むことで、多層構造のメニューを構築できます。上の例のように、<menu>
のラベルにショートカット・キーを割り当てることもできます。但し、<menu id="root-menu">
には割り当てることはできません。キーボードからOpenboxのメニューを呼び出したい場合には、rc.xmlファイルの方でキー・バインドを設定することとなります。
cp /etc/xdg/openbox/rc.xml ~/.config/openbox
~/.config/openbox/rc.xmlファイルの<keyboard>
と</keyboard>
の間に以下のコードを追加することで、[Ctrl]+[Alt]+Mを押すとOpenboxのメニューが開くようになります。
<!-- Openbox menu-->
<keybind key="C-A-m">
<action name="ShowMenu">
<menu>root-menu</menu>
</action>
</keybind>
メニューからフォルダを開く
ホーム・ディレクトリやピクチャ・ディレクトリ、ダウンロード・ディレクトリなどを開く項目をメニューに追加したかったので、以下のようにしました。PCManFM以外のファイル・マネージャを使用している方は、pcmanfmという部分をご使用のアプリケーション名に置き換えてください。
<menu id="folders" label="フォルダ(_F)">
<item label="ホーム(_H)">
<action name="Execute">
<execute>pcmanfm ~/</execute>
</action>
</item>
<item label="ドキュメント(_D)">
<action name="Execute">
<execute>pcmanfm ~/ドキュメント</execute>
</action>
</item>
<item label="ピクチャ(_P)">
<action name="Execute">
<execute>pcmanfm ~/ピクチャ</execute>
</action>
</item>
<item label="ミュージック(_M)">
<action name="Execute">
<execute>pcmanfm ~/ミュージック</execute>
</action>
</item>
<item label="ビデオ(_V)">
<action name="Execute">
<execute>pcmanfm ~/ビデオ</execute>
</action>
</item>
<item label="ダウンロード(_L)">
<action name="Execute">
<execute>pcmanfm ~/ダウンロード</execute>
</action>
</item>
</menu>
区切り線
区切りの線は、以下のタグで追加できます。
<separator />
この<separator />
タグにラベルを加えることもできます。
<separator label="ラベル" />
Reconfigureで、新たな設定を有効にする
menu.xmlファイルを保存しても、新たな設定は有効になっていません。即座に有効化させ、新たに構築したメニューを確認したい場合には、メニュー内のReconfigureを実行します。もしも、Reconfigureを消去してしまった場合には、ターミナル・エミュレータで以下のコマンドを実行します。
openbox --reconfigure
使用しないメニューは削除してしまっても問題ないと思います。メニューに余計な項目が多いと使い難くなってしまいます。後でデフォルトの状態に戻したい場合には、いつでも/etc/xdg/openbox/menu.xmlを参照できます。
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